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まずは、薩垂峠で富士の絶景に息をのむ

富士山
薩垂峠からの富士山。街道時代と違うのは、東名高速と国道が眼下に見えること

東海道五十三次のなかで、最もダイナミックなパノラマが楽しめるのが薩垂峠。場所はといえば、駿河湾に注ぎ出す、富士川の東側。南アルプスの末端が断崖となって海に落ちる場所、それが薩垂峠だ。写真をご覧あれ、薩垂峠から駿河湾越しに眺めた富士山である。由比宿(由井宿)と興津宿の間にある薩垂峠は、東海道屈指の難所。もともと「東海の親知らず子知らず」と呼ばれた海岸線を歩いたが、1658(万治1)年に出された『東海道名所記』にも「海ばたは一騎うちの道にて、うちよりする浪大なり。道行人さらにあとをかへりみるいとまなし」とあるように、旅人は非常に恐ろしい思いをした。きっと、荒波にさらわれた人もいたことだろう。

参勤交代にも難儀をしたので、1655(明暦1)年に、中腹に「中道」を開通し、1682(天和2)年には、さらに上部に「上道」を開通させた。ハイキングコースとして整備されているのは、「中道」の一部分で、歩きやすいようにと手は入れられているが、周囲の雰囲気は昔のままだ。江戸時代にここを往来した旅人や、外国からの使節たちが、峠に立ち止まり、富士を仰ぎ見てため息をついたという情景は、今もまったく変わらない。東海道を歩いてみたいという願望にかられたら、まずは、由比駅から薩垂峠まで、所要約1時間30分のハイキングコースを歩くことをおすすめしたい。足に自信がない人は、車を使うか、由比駅からタクシーを利用すれば、徒歩2分で展望台だ。

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