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マップコードで緑のダムを探す「エコドライブ」


山里の暮らしを支えてきた棚田。あまり知られていないが東海4県には農林水産省が選定した「日本の棚田百選」に選ばれた美しい棚田が数多くある。棚田には洪水の防止、水源の涵養、動植物の保護という多様な機能があるが、機械化のできない山間にあり、農家の高齢化にともなってその美しい景観が失われつつある。カーナビにマップコードを入力して、日本の原風景ともいわれる棚田をめぐり、ちょっぴり「環境問題」を考える「エコドライブ」に出かけませんか?

引佐町・久留米木の棚田
石で積まれた美しい棚田だ


愛知県新城市と境を接する静岡県浜松市北区引佐町(いなさちょう)。浜名湖の北側に続く丘陵地帯に、美しい棚田が隠されている。引佐町の久留米木(くるめき)地区には平安から室町時代がルーツという歴史ある棚田がある。観光的にはまったく無名の存在で、案内板なども整備されていないので、カーナビにマップコードを入力し、久留米木小学校を目標にアプローチを。27枚という小さな棚田ながら静岡県を代表する美しい石積みの棚田で、地元では新聞などでその景観が取り上げられることも多い。平均勾配5.7分の1という急勾配にはちょっと驚くことだろう。日本の棚田百選にも指定されている。

引佐町・兎荷の棚田
「鳶(とんび)の背中が見える」驚きの急斜面に注目


愛知県新城市の鳳来寺山と静岡県浜松市北区引佐(いなさ)町を結ぶ国道257号。その沿線の伊平地区にある滝清水橋から少し入ったところにあるのが兎荷(とっか)の棚田。あまりに急な斜面ゆえに地元では「鳶(とんび)の背中が見える」と形容されることもあるという。地層からはアンモナイトも出土し、かつてはここが海だったことがわかっている。

大栗安本村の棚田
棚田の標高差はなんと100m


浜松市引佐町にある久留米木の棚田から県道でひと山越えるか、浜松市街から国道152号を北上し、二股から天竜川の支流・阿多古川沿いにのびる県道9号をくんま水車の里を目指して走った途中から林道を分け入ったところに大栗安(おおぐりやす)本村の棚田はある。標高657mの神明山の中腹にある江戸時代に開かれたという歴史ある棚田だ。481枚の棚田の水は天水が頼りという昔ながらの農法で、地元の有志は「大栗安棚田倶楽部」を結成、休耕田を利用しての雑穀作りなど、積極的な棚田保全活動を展開し、例年6月中旬に田植えが行なわれる。

新城市・四谷の棚田
正面から見上げる852枚の美しい棚田


愛知県は棚田が多いといっても、愛知県人でさえピンとこない人が多い。たとえば平成17年9月に「棚田(千枚田)サミット」が開かれたのは愛知県の鳳来町だ。平成の大合併で新城市となった旧鳳来町の北端に位置し、鞍掛山麓近くに広がる棚田が四谷の棚田。地元では「四谷の千枚田」と呼んでいる。飯田線本長篠駅前から県道32号を設楽町方面に北上した四谷地区にある。起源はなんと平安時代から室町時代という歴史あるもので、明治37年には20日間続いた大雨の後に山津波に襲われているが見事に復活されている。棚田は治水機能も発揮し、山里の暮らしには非常に有益なシステムなのだ。現在は「鞍掛山麓千枚田保存会」の手により管理されている。平均勾配は4分の1という急勾配でで日本の棚田百選の一つ。

設楽町長江の棚田
訪れる人も少ない超穴場の棚田


国道257号沿いにある設楽町役場から県道427号を東栄町方面に走った奥三河の最奥、長江地区にある棚田。秘境と呼ばれるような山奥にあるため訪れる人も稀な棚田ながら日本の棚田百選の一つに選定されている。棚田の起源は比較的新しく、明治から昭和20年にかけて開かれた場所だ。90枚の田を16戸の農家が今も守り続けている。道を間違えたり迷ったりしても聞く人を見つけるのが大変な山中だから、マップコードが大いに役立つことだろう。

恵那市坂折の棚田
標高差200mに石積み80段の棚田が階段状に連続


平成15年に棚田サミットが開かれた岐阜県恵那市。米所・濃尾平野の陰に隠れてあまり知られていないが、東濃にも実は美しい棚田が多く、その代表格が坂折の棚田だ。恵那市中野方町の北西部(坂折地区)に位置し、江戸時代始めに開かれたという歴史ある棚田だ。地区の中央に流れる坂折川の両岸、標高410mから610mにかけて、標高差200mの斜面に「はしご田」と呼ばれる360枚の石積みの棚田が築かれている。毎年10月初旬には「稲刈り体験ツアー」(問い合わせは恵那市農林課TEL0573-26-2111)も行なわれている。日本の棚田百選の一つ。

八百津町上代田の棚田
棚田が治水ダムとしても重宝されている


花崗岩の岩山が林立する岐阜県八百津(やおつ)町。八百津町は「日本のシンドラー」と呼ばれた杉原千畝(すぎはらちうね)の故郷で、その記念館もあるが、八百津町市街から7kmほど北に入った北山地区にあるのが花崗岩を積み上げて石積みにした上代田の棚田。集落が棚田を取り囲むように形成され、集落に住む11戸が自給程度の米や野菜を123枚の棚田に耕作している。棚田一帯は土砂流危険渓流箇所に指定され、水田は洪水調節ダムとしての重要な機能も担っている。日本の棚田百選の一つ。

亀山市坂本の棚田
城壁のような石積みが続く棚田には猪や鹿、猿も出没!


三重県は「鈴鹿アルプス」といわれる急峻な鈴鹿山脈が滋賀県境との間に連なっている。有名な伊勢茶はその山麓で作られているが、東海道・鈴鹿峠に近い鈴鹿山脈南部の亀山市には美しい棚田もある。坂本の棚田は、亀山市安坂山町の山間に戦国時代頃に開かれた歴史ある棚田。23ha、440枚の棚田を30戸の農家が耕作している。美しい渓谷美で知られる石水渓の入口にあるが訪れる人も少ない穴場だ。城の石垣のような石積みが積み上げられた様は圧巻だ。同じ亀山市内でも坂本の棚田でとれる米は「色つやが違う」といわれているのは水の良さと手間暇かけた栽培によるとか。坂本棚田保存会が結成され、棚田保存へ向けての本格的な取り組みが始まっている。

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