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マップコードを使って十勝の「超!秘境」に到達せよ!


北海道通を自称する人でもほとんどの人が「未知の世界」であるのが十勝西海岸。ピンとこないひとはぜひ、北海道の地図を見ていただきたいが、帯広を中心とする十勝平野の大平洋沿いの海岸線には、知られざる原生花園、海跡湖が並んでいる。そして目を西に転じて、十勝連峰から流れ出る川を見れば、「日本一の清流」が! 四万十川が日本一の清流だと思っている人も多いだろうが、平成に入ってから連続して「日本一の清流」に輝くのは札内川。ここで紹介する「超!秘境」は、熊除け鈴をもって、地元の人の道案内でようやく到達したポイントも多いのだが、賢明な皆さんはカーナビにマップコードの入力を。なお正確を期するため、緯度経度は現地測地している。

豊頃ハルニレの木
豊頃町にはハルニレの大木が何本かあり、これを探す旅人もいる


豊頃町の河畔に、豊頃町のシンボルツリーともなっているハルニレの大木がある。2本の木が一体化したもので樹齢約130年。十勝川の河川敷地の大半は採草地(牧草を育てる場所)として活用されているが、豊頃のハルニレの大木の周辺も採草地。つまり牧草に囲まれたなかにハルニレの大木という実に絵になる光景が展開。かつて「この木なんの木」と呼ばれたこともあるが、日立グループのCMに登場する木のイメージに樹型が似ていることから付けられたあだ名。実際にCMで使われたことは一度もない。北海道には、樹齢300年を超えるハルニレの古木もあるから、まだまだ、大きくなることは間違いない。

坂下仙境
訪れる旅行者は皆無という秘境!


歴舟川は十勝連峰を源とし、太平洋に注ぐ河川延長65kmの川で、昭和62年以降、6度に渡り「清流日本一」に輝く美しい流れ。かつてはアイヌが砂金を採ったことでも有名だ。砂金採りは和人が入植する時代にも続き、明治30年代には100人もの砂金掘り師が一攫千金を夢みた。歴舟川を上流へ走ると道道55号から分かれた町道が拓進地区まで続いている。拓進地区の牧場で道はダートとなり、少し悪路を下ると、歴舟川を橋で渡る。その先は林道となるが、この一帯のゴルジュ(峡谷となった谷)を坂下仙境と呼んでいる。

一本山展望タワー
一本木山の山頂に建つ展望塔からの眺め


広大な十勝の大地を見渡したいという気持ちは地元の人にもあるようで、中札内村の西札内にある標高355mの一本山頂上に建つ一本山展望タワーは、まさに地元の造った展望塔。タワーは鉄骨6階建て、高さ24mという立派なもの。これが日高山脈の前山の頂きに建つから、塔へと99段の階段を上れば、中札内村や帯広市、豊頃町まで十勝平野を眺望する大パノラマが楽しめる。望遠鏡も2基備えられ、地平線まで望むことができる。中腹の駐車場からタワーまでは369段の階段が続いているが、帯広あたりでこの塔の存在を知っている人は皆無。アルプス社を除き、市販の地図にもほとんど載っていない!

ピョウタンの滝
ピョウタンの滝を眼前にする遊歩道も整備されている


歴舟川と「日本一の清流」を競うのが十勝川の支流、札内川。十勝川は一級河川としては日本屈指の清流を誇っているが、その支流の札内川は、平成に入ってから7度も「清流日本一」に輝いているのだ。河畔には氷河時代からの残存種であるケショウヤナギが世界最大の規模で群落を形成している。十勝連峰のカール(圏谷=氷河地形の一種)を源とする札内川の中流部に位置するのがピョウタンの滝。札内川にかかる落差10mの滝だが、その迫力はまさに「ミニナイアガラ」。もともと悲願の電力確保のために地元の人が、巨岩を利用して築いたダムだったもの。完成直後の昭和30年の水害でダムは決壊し、滝として残されたという不思議なスポット。一応、道路標示にも案内が出ているので、比較的楽にたどり着けるだろう。地図は展望台をピンポイントで表示。

オタフンベチャシ跡
家が1軒建つほどの平坦な砦の頂から太平洋を眺望


チャシとはアイヌ語で砦(とりで)を意味する言葉。まったく知られていないが、十勝平原から釧路にかけては美しい海岸線が続いている。とくに十勝川河口から根室本線厚内駅にかけての海岸は、目下、国道336号(浦幌道路)が延伸中だが、途中の昆布刈石から厚内までの道道1038号線は、今も走る人の少ない絶景ロード。その海岸沿いにある小高い丘がこのオタフンベチャシ跡。踏み跡を選んでエゾカンゾウの花畑となった丘に登れば海岸を一望にできる。丘の頂は平らだがよく見ると周囲を壕で囲まれていることがわかる。オタ・フンベはアイヌ語で砂・クジラの意。十勝と釧路の支庁界に近いが、その昔は、厚岸(あっけし)アイヌと白糠(しらぬか)アイヌの攻防の地だったという。

昆布刈石展望台
小さな駐車スペースと看板があるだけの展望台から十勝方面(西側)を眺望


十勝川の河口・十勝太からオタフンベチャシ跡方面に6kmほど走った昆布刈石の高台にある展望地。広大な太平洋を見渡す北海道でも第1級の展望地だが訪れる人は夏の観光シーズンでもほとんどいない。晴れた日には広尾・えりも方面から釧路までのワイドなパノラマを得ることができる。昆布刈石は、コンブカルウシ、コンブカルウスなどと呼ばれ、アイヌ語の昆布場の意に由来する(『北海道蝦夷語地名解』)。幕末の探検家・松浦武四郎の『廻浦日記』には「コンブカルウス 此処よりまた山道。是も文化度切開の由。其迄は風波の暇を見て下道を通りし由也」と記されている。

黄金の滝
黄金の滝は、玉石の浜へと直接落下する


昆布刈石海岸にある太平洋の玉石の浜に直接落下する滝。岩層の黄金色と、夕日に輝く姿が黄金のようなのがその名の由来。滝の沢川は、高さ30mほどの海岸段丘の草原(お花畑)から、滑滝となって一気に落下する。落差は50m、昆布刈石を走る旧道沿いの駐車場から滝の落ち口まで踏み跡をたどれば、流れ落ちる滝を上から見おろすことができる。また滝の横の断崖となった草地には海岸へと下るか細い踏み跡もあるが、滑落の危険があるので踏み入れない方が無難。地図は落口をピンポイントで表示。

十勝太展望台遺跡
遺跡からは浦幌十勝川と浦幌川の合流点を眼下にする


十勝川の河口周辺には広大な湿原が広がり、大水の度に水の流れが変わり、その影響で今も三日月沼、トイトイッキ沼などの河跡湖が残されている。今、十勝川本流とする川は、実は以前の十勝川ではない。河川改修が行なわれ、以前の大津川が十勝川に、十勝川は浦幌十勝川へと名前を変えている。つまり、ホントの十勝川は、浦幌十勝川ということになる。浦幌十勝川が河口近くで浦幌川と合流する場所、その河岸段丘の上には河口の旧湿原地帯を一望にする十勝太遺跡展望台がある。河口の湿原を一望にする丘には各所に穴が掘られている。これは1000年ほど前に住んだ先住民族の竪穴式住居群で、土器の文様から擦文文化と呼ばれる北海道独自の時代のもの。河岸段丘の上には240基の住居跡が確認され、巨大な集落があったことが判明している。

長節湖
長節湖の湖畔には原生花園が広がっている


十勝原野には、太平洋に沿って、ほとんど訪れる人のいない原生花園が続いている。その全体を表す名称もまだないほどの秘境地帯だ。地図を広域にして見ていただけば一目瞭然だが海岸沿いに海跡湖と原生花園が連続している。十勝川の河口部に最も近い場所に位置する海跡湖が長節湖(ちょうぶしこ)。長節はアイヌ語のチ・オ・プシ・イ(ci-o-pus-i=自ら・川尻・はじける・ところ)に由来。周囲約5kmの塩湖で、太平洋と狭い原始砂丘で隔てられている。湖の水位が高くなると、自然に湖尻が破れるのでその名がある。湖周辺の植物群は、北海道の天然記念物に指定されており、春から初秋にかけてハナマス、エゾカンゾウ、ムシャリンドウ、センダイハギなどの美しい花が咲き競う。

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