機具岩は、伊勢の二見岩によく似ていることから能登二見とも呼ばれている岩。能登に織り物の技術を広めた女神、渟名木入比命(ぬなきいりひめのみこと)が、山賊に襲われたとき、背負っていた織機を海へ投げ込んだところ、忽然と岩に変化したという伝説が残されている。男岩の方は織機のような形状で、真ん中に洞門が開いた巌門。女岩とはしめ縄で結ばれている。本場の二見岩は朝日の名所だが、こちらは夕日の名所になっている。
能登の景勝地、ヤセの断崖から少し南に位置する海岸段丘にある棚田。長方形の棚田が規則正しく並び、その数は180枚。能登の他地区の棚田に比べ畝の部分が直線的なのは、昭和40年に土地改良を行なったから。後継者難などから荒廃が進む全国の棚田のなかで、今も現役で稲作が行なわれ奥能登らしい景観を生みだしている。「日本の棚田百選」に選ばれ、石川県の棚田ビュースポットも設置されている。
巌門の洞門に身を隠したといわれ、能登には、義経伝説が数多く残されている。そのひとつが義経の舟隠し。源義経が兄の頼朝に追われ、奥州・平泉へと下る途中、折からの激しい嵐を避けるため、この入り江に舟を隠したと伝えられている。隠した船の数は48艘にも及んだといわれている。水路のようになった細長い入江は、船を隠すという伝説もうなずけるような形状。能登を代表する景勝地、ヤセの断崖とは徒歩5分ほどの遊歩道でつながっている。
関野鼻一帯は新第三紀の石灰質砂岩層で、波や風で浸食された無数のくぼんだ穴(ドリーネ)が見られ、多くのドリーネには潮がたまりプールのようになっている。能登金剛関野鼻パークハウスから関野鼻の先端に向かって遊歩道が設置されている。また、岬近くには琵琶湖の竹生島弁財天の分身を祀った裸弁財天もあり、開運、厄除け、縁結び、金運などに御利益があるといわれている。また岬突端は240度が海というパノラマが自慢。
門前町には、2ヶ所の鳴り砂(鳴き砂)の浜があり、琴ヶ浜は鳴り砂の保存ゾーン、千代浜は鳴り砂ふれあいゾーンに指定され「鳴る砂ふれあい広場」が設けられている。鳴き砂海岸の特徴は砂浜に含まれる石英の豊富さで、門前町の山は花崗岩が主体で、花崗岩に含まれる石英が日本海の荒波で洗われ、浜に堆積し、全国的にも珍しい鳴り砂の浜が誕生。広場には、屋根付きの鳴き砂体験施設が用意されている。
黒谷橋からこおろぎ橋まで、約1.3kmの渓谷。渓流沿いには、遊歩道もあり、羽を休める美しい白サギの姿、川面に張り出す奇岩怪石、うっそうと生い茂る木々の緑、大聖寺川のせせらぎを眺めながら、片道約15分の散策が楽しめる。『奥の細道』の途中、芭蕉は1689(元禄2)年の旧暦7月27日山中温泉に投宿、8泊の長逗留をしているが、この鶴仙渓も探勝。黒谷橋の下流にある白鷺大橋の東詰に句碑が立っている。
大聖寺川の河口と北潟湖に囲まれた陸続きの島は、八幡社(鹿島神社)の社叢として原生林のような森が守られ、国の天然記念物に指定されている。もともとは北潟湖の島だったと推定されている小島は、標高30m、周囲600m、面積約3haでタブノキなどの暖帯性照葉樹がうっそうと茂っている。少なくとも数百年は人の手が入っていないという原始の森だ。北潟湖沿いには板橋が設けられており、湖に張り出したタブノキを眺めながら散策することができる。
白山は、富士山、立山とともに日本三霊山(日本三名山)のひとつ。石川・岐阜県境にそびえ、御前峰(2702m)、大汝峰(2684m)、剣ヶ峰(2677m)3つの峰からなる。白山を中心とする面積4万7700haは石川、岐阜、富山、福井の4県にまたがる山岳自然公園、白山国立公園に指定されている。越の大徳といわれる越前の僧・泰澄が、717(養老元)年に開山したといわれ、古くから信仰登山が盛ん。山頂には白山神社の奥宮が鎮座する。万年雪、高山植物、ブナの原生林と、白山の豊かな自然は、ユネスコの生物圏保存地域に指定されている。室堂平、弥陀ヶ原、南竜ヶ馬場、清浄ヶ原などの高原地帯に咲く高山植物は実に見事だ。白山の名を冠した主要なものだけでもハクサンコザクラ、ハクサンフウロ、ハクサンイチゲ、ハクサンシャクナゲが有名。頂上へは1泊2日の行程が標準で、別当出合を起点として砂防新道(南竜道)が最短コース。南竜ヶ馬場まで登り3時間10分(休憩を含まない標準タイム)。下山は観光新道がポピュラーで室堂から別当出合まで3時間。
能登半島の最高峰で標高は637m。能登半島の付け根に位置するため山頂から能登・加賀・越中の三国を眼下にする。白山や立山・北アルプス連峰を一望の絶景を得ることができる。富山県氷見市福岡と結ぶ県道75号(押水福岡線)が山頂南にある山頂公園を経て山頂南肩まで通じているので、歩かずして日本海に沈む夕日や、いか釣り漁船の漁り火を眺めることができる。休憩施設「山の龍宮城」のテラスは日本海を眼下に、加賀、能登まで広く展望するビューポイント。歩いて登る場合の登山口は、山麓の東間(あづま)集落の手速比め神社(里宮)から「こぶしの道」を利用。約2時間の行程だ。山頂には手速比め神社の奥宮が祠られている。
医王山(いおうぜん)は、石川県(金沢市)と富山県(南砺市)の県境に聳える標高939mの火山。白山開山の祖、泰澄が719(養老3)年に開山し、薬草、薬木、薬石が多いことから中国(当時は唐)の育王山にあやかって育王仙と名付けられた。722(養老6)年、時の帝である元正天皇の病気を、育王仙に産する薬草で治癒したことから医王山と命名された(命名説には各種あり、麓から見上げるのにかたちがいい遥山=ようせんとする説もある)。医王山は、大雪山同様に、山塊全体を指す呼称で最高峰は、奥医王山(939m)。白兀山(しらはげやま・896m)、前山(724m)、北の国見平に黒瀑山(くろたきやま・712m)と多くのピークがある。








