京都の豪商・角倉了以は、大堰川(保津川)を開削して丹波と京都を結ぶ水運を考案、1606(慶長11年)にわずか5ヶ月で工事を完成させる。その水運のルートを利用して明治時代に始まった川下りが保津川遊船。明治40年に発表された夏目漱石の『虞美人草』にもその様子が詳述されている。大正から昭和の初期には京都から人力車でやって来る外国人も多かったとか。保津大橋から京の景勝地・嵐山までおよそ16kmの渓谷を2時間〜2時間30分かけて下る。途中には角倉水運の役所があった地蔵ヶ淵、巨岩の間をすりぬける難所・小鮎の滝瀬などがあり飽きることがない。往路は嵐山からトロッコ列車で亀岡に向かい、帰路は保津川下りを楽しむ観光ルートが定番となっている。
JR嵐山駅に隣接するトロッコ嵯峨駅とトロッコ亀岡駅を結び保津峡沿いに走る全長7.3kmの観光列車。かつての山陰本線の一部を利用したもので、峡谷に沿って線路が敷かれているため、渓谷探勝には絶好の乗り物。最初の駅であるトロッコ嵐山駅を出ると、大河内山荘の下を嵐山トンネルで抜け、保津峡の狭い峡谷に入り込む。この先、保津峡トンネルなど7つのトンネルがあるが、峡谷の核心部はほとんど車窓から見物できる。前半は右側が、後半は左側が渓流となり、時間的には右手に渓谷が来る方が少し長い。時速は最高でも20km。終点のトロッコ亀岡まで所要は23分だ。トロッコ亀岡は山陰本線の馬堀駅に近いが、山陰本線をひと駅乗った亀岡駅から保津川下りで嵐山に戻るのがゴールデンコース。
叡山ケーブルの終点駅であるケーブル比叡駅に接続するロープウェイ比叡駅と比叡山頂駅を3分で結ぶロープウェイ。昭和3年に開業した「比叡山空中ケーブル」が前身。「比叡山空中ケーブル」を運行したのはケーブルと同じで京都電燈叡山電鐵課。ただし現在の叡山ロープウェイの場所とはやや異なり、旧スキー場に近い高祖谷駅と延暦寺駅分で結んでいた。現在の比叡山頂駅はガーデンミュージアム比叡の一角。
比叡山の京都側登山ルートとして、大正14年12月20日に京都電燈が叡山鋼索線として西塔橋(現在のケーブル八瀬駅)〜四明ヶ嶽(現在のケーブル比叡駅)間を開業したのが始まり。ケーブル八瀬駅からケーブル比叡駅まで1.3km、標高差561mを9分で結んでいる。終点のケーブル比叡駅では叡山ロープウェイに接続し、比叡山頂駅とを3分で結んでいる。ゴンドラから見下ろす京都市街の展望は素晴らしい。
鞍馬山は約2億6千万年の昔、海底火山の隆起によって誕生したという急峻な山。鞍馬寺は山上にあるため、ケーブルの利用が便利だ。鞍馬山門駅と多宝塔駅を2分で結んでいる。標高差は96mで全長は207m、勾配49.9%。昭和32年に完成するまでは表参道が鞍馬寺唯一の参詣ルートだった。車両は「牛若号」(大阪車輌工業、平成8年製造)の1両のみ。当然、車輌がすれ違うポイントもない。実はこのケーブルカー、『JR時刻表』にも載っていないが、鉄道事業法で認可された全国唯一の宗教法人が運行するケーブル。ただし、寺ではとくに紅葉期を中心に、表参道の利用をすすめている。鞍馬山の自然が身近に感じられ、魔王尊の存在も強く感じられるからだ。
伊根名物の舟屋や青島灯台、鯨の墓、ブリの養殖場など、伊根湾の見どころをめぐる観光船。所要時間は30分ほどで、風情溢れる伊根の景観を海上から楽しむことができる。3月から翌1月15日までは毎日運行。その他期間は日曜、祝日のみの運行となるので注意を。
文珠山にある遊園地。マッドマウス(2人乗りジェットコースター)、観覧車、園内を一巡するサイクルカー(サイクルモノレール)などからは、真正面に真一文字にのびる天橋立を望むことができる。またゴーカート、パターゴルフなどもありファミリーで1日遊ぶことができる。
嵯峨野路を人力車で案内してくれるのが、えびす屋總本店。渡月橋から野宮神社、嵐山遊覧か、落柿舎(らくししゃ)をまわって、渡月橋に戻ってくる「嵯峨野竹林の旅」は、30分の貸切。渡月橋から二尊院や祇王寺(ぎおうじ)に足を延ばす「嵯峨野いにしえの旅」ならば、2時間の貸切となる。乗り場は渡月橋北詰(渡月橋交差点)の「琴きき茶屋前」。1時間の貸切のモデルコースは、渡月橋〜竹林〜宝筐院(拝観)〜落柿舎遊覧〜竹林〜渡月橋。
嵐山を流れる大堰川(桂川)の船遊びは898(昌泰元)年の宇多天皇の御幸時に船上で詩歌や舞楽が披露されたことに始まる歴史ある遊び。平安時代に公家の間に風雅な遊びとして広まった。庶民の遊びとなったのは明治以来で、渡し船や貸しボートも営業する嵐山通船が運航している。乗り場は、渡月橋の上流側の両岸にあり、嵐峡と呼ばれる大堰川上流まで遊覧する。使われるのは昔ながらの木の和船で、なんと船頭が竿一本で操舵する。1月、2月の暖房船に始まって、春の桜の開花期に実施される花見船、初夏の新緑景観船、鵜匠の鮮やかな手さばきが見られる夏の鵜飼見学船、9月中旬の観月船、秋の紅葉船と、四季折々の渓流美を船上から堪能できる。2名以上なら食事付き遊覧船も実施(3日前までに要予約)。料金は料理により異なり「矢尾定」の弁当で3500円、「一休」の湯豆腐御膳で5500円など各種用意。

