実はしばしば前を通りかかる自家焙煎コーヒーの店、Lumba Mia(ルンバミーア)。開店当初は10:00からだったのですが、今はオープンが11:00からなのでなかなか入るチャンスに恵まれませんでした。ほぼ1年ぶりに再訪したところ、「コーヒーのブレンドってなかなか楽しい世界なんだ〜」と思わせる話をお聞きすることができました。
以前入った時は、確かコーヒーを注文しただけだったのですが、今回はコーヒー豆を購入することに。なんと約30種(プラス、季節限定のブレンドあり)もの生豆があるので、悩みます。お店のイチオシは、直輸入のインドネシア産トラジャ。「ニュークロップとパーストクロップの2種類ありますが、2008年の収穫のものがニュークロップ。つまり新米のようなもので、個性が強い。はっきりと豆本来の個性がわかりますよ」という、スタッフさんのアドバイスにあっさり服従。
しかし、こんなに空気にさらしっぱなしでいいのでしょうか、と素人丸出しの質問をすると「焙煎後の劣化は早いですが、生豆の状態なら3年ぐらいもちます。ニュークロップより、むしろパースト、つまり寝かした豆の方が、水分が飛び、ひねて味がまろやかになると好む方もいらっしゃいます」とか。
なるほど、なるほど。ワインみたいなもんか。しかし、ワインでもわからんのに、コーヒーなんて、なおわからん。

すると、おもむろに高速焙煎機の回転音が鳴り響くと同時に、豆のいい香りが漂ってきました。
「おっ、今日は調子いいですね」とスタッフさん。
えっ? 機械に調子いい悪いなんて、あるんですか?
「あるんです、外気に結構左右されるものなんです」
聞けばこのコーヒーロースターロボット君、意外にも気圧と気温に左右され、なかなか焙煎が均一にならないのだとか。だから焙煎の深さや時間などの情報をタッチパネルにインプットしながらも、ロボット任せにせず、人間が必ず目視しながら焙煎具合を確認。ちょうどいい塩梅になるよう、気を配らなくてはいけないのだそう。軽自動車が何台も買えるというのに、しっかりせいよ、ロボット君。

焙煎したてで湯気が出る状態のものを5分ほどざるにあけ、あら熱を取ってからパッキングされます。そのパッキング用の豆袋にもこだわりが。焙煎後に豆から発生する炭酸ガスを出して、外気に触れないようにするバルブ付なのです。これで豆の酸化(劣化)を防ぐというワケ。
「実はこのバルブ付豆袋もなかなかコストが高いのですが、せっかくその場で焙煎したての鮮度抜群の豆を、よりよい状態で飲んで頂きたい。だからこれだけは譲れないということで、色々探し回り、わざわざ岐阜の工場に発注しているんですよ」とマネージャーの加茂さん。
パッキングされた「トラジャ ニュークロップ」の透明な豆袋を見ると、酸味より苦みがある方が好みということで、もう1種類選んでもらった「ジャワロブスタWIB」に比べて、豆の脂(コーヒー・オイル)が強いのが一目瞭然! 脂浮きまくりです。
ローストもトラジャの方が深い(5段階中の4)ので、色も違うし(トラジャはまるで麦チョコ色)、粒も大きい。普通のラミ加工された密閉袋よりも、このような中身が見られる透明な豆袋の方が、豆の違いが鮮明にわかります。コーヒー初心者なので、まるで大きな発見でもしたようにうれしくなりました。

あと、面白いのが、ここではオリジナル・ブレンドを自分の好みに合わせて作ってもらえるところ。完全オーダーメイドのブレンドです。
その店独自のオリジナル・ブレンドは今や当たり前ですが、自分の好みを伝えて、カウンセリングを重ねた上で、唯一無二のブレンド作りをしてもらえるなんて、コーヒー好きにとってはたまらない試みですよね。しかし初心者には、自分のためだけにオリジナル・ブレンドを作ってもらうなんて、ちょっとピンとこない。どう説明したらいいか、そもそも好みもよくわからないのに、見当もつかないんですが・・・。
「大丈夫です。それを手助けするのが我々なんですから。まず、いつ、誰と、どこで、どんな食べ物と合わせて飲むのか、というシチュエーションをお聞きします。あとは、苦み、酸味などの好み。それとストレートで飲むのか、一日何杯ぐらい飲むのか、家族構成など。それと予算ですね。100g500円前後で作ってもらいたい、とか」と加茂さん。
こうして3日間ぐらいかけて色々と試してみて、発注者とともにテイスティングしたり、場合によっては全部一からやり直したり。元の豆代にもよるが、だいたい100g作るのに2000〜3000円の予算とか。
ちょっと高いように感じるかもしれませんが、カウンセリング、試作料と考えましょう。一度そのお気に入りレシピが出来上がってしまえば、リピート後はオリジナル・レシピの豆代のみを負担するだけ。
3日もかけてプロが作ってくれた完全オーダーメイドのオリジナル・レシピだと思えば、そう高くもないはず。でも実は3日間もかからない、そんなに複雑なブレンド作りでなければ、その場で10分程度カウンセリングして、ちゃちゃっとオリジナル・ブレンドを作ってもらえたりもします。その場合は、カウンセリング料なしで豆代だけなのだとか。
また、ルンバミーア特製のオリジナル・ブレンドも7種あり、加えて季節限定のブレンドの用意もあります。たとえば、これからの季節なら「クリスマスブレンド」や「バレンタインブレンド」がスタンバイ。
「クリスマスブレンドは、クリスマスケーキが置かれたパーティーの風景をイメージしています。ケーキは生クリームが多いから、その舌に残る油分や甘みをさっぱりと洗い流す感じで、苦みが効いたものを。バレンタインブレンドなら、当然チョコレートとセットで頂くというイメージ。チョコレートってカカオ風味が強いものですよね。だからその風味を生かすよう、コーヒーも甘みと香りを重視します。あとはコクも。ブレンドを決めるまで、スタッフ全員でカップテストを何度も繰り返します」という。
ふむふむ。そう考えると、これで行こう!! と決まるまでのテイスティングはもちろん大変でしょうが、どんな場面でそのコーヒーが飲まれるのかを想像(創造)する過程がとっても面白そう!! コーヒーにはまる人がいるというのが、ちょっぴりわかる気がしてきました。
最後に大好きなエスプレッソ250円も頂いたのですが、砂糖を入れると味がまったく変わったのには愕然!! ストレートで飲んだ時は、普通のエスプレッソよりも酸味が強く感じられ、ちょっと自分の好みではないかも、と思ったのです。ところが、砂糖を入れた途端にものすごく滑らかに感じられ、断然飲みやすい味に。ものすごいマジック。「これがミルクを入れたカプチーノ280円だと、またまったく違う味わいになるんですよ」と加茂さん。いやはや、やはりコーヒーって奥深い。
それから、お茶請けならぬ「コーヒー請け」に升本屋の塩みつかりんとうや、さりげなくお店特製のエコバッグ置いていたりと、思い入れが強すぎて敷居が高い店ではなく、端々に片鱗は見せているけれど、気張りすぎないところがいいなぁ、と思ってしまいました。ホットコーヒーはレギュラーサイズで180円ですが、ポットサービス(5杯分800円)もやっており、常連さんはポット持参でやってきていました。そんな空気感もいい感じです。外苑散歩のついでにでも、ぜひ。
◆自家焙煎珈琲豆 Lumba Mia(ルンバミーア)
11:00〜19:00(土曜は12:00〜19:00)/日曜、祝日休
東京都渋谷区神宮前2-13-1 MFビル1F
TEL03-3470-6838












コメントする