別海町は現在、日本一の酪農地帯(生乳生産量日本一)です。「人口より牛の頭数の方が多い」(乳牛11万頭、人口1万6000人)というのはもちろん、根釧原野で培われてきた大規模農業の中心的な場所でもあります。国営の大規模な酪農村である「新酪農村」は、広大な波状丘陵地に見渡す限り牧場が広がる日本離れした場所で、その丘のひとつには高さ10mの新酪農村展望台(別海町別海396-7)も設置されています。
日本最北端の温泉民宿「北乃宿」のすぐ近くには、たまらん坂という不思議な場所があります。稚内市には最北端の宗谷岬と市街に近いノシャップ岬がありますが、このノシャップ岬を日本海側に回り込んだところが温泉民宿「北乃宿」のある富士見地区。海岸近くまで丘陵が迫りますが、その丘陵に登る坂道(徒歩道)が、たまらん坂です。以前、某旅行雑誌に掲載しようと、稚内市の観光関係者に問い合わせたところ、「ちょっと、勘弁してください」という返答をいただいた曰く付きの場所なのです。
野付半島は、全長28kmの日本一長大な砂嘴(さし)です。細いところでは幅は数十メートルしかありません。半島中央部から先に人家はありません。あるのは鮭の定置網の番屋だけです。
北方領土のひとつ、国後島に最も近いのもこの野付半島です。根室海峡に突き出した長大な砂嘴は、実は知床半島の土砂が海流に削られ、堆積したもの。実際、根室海峡は羅臼沖では2000mもの深さがありますが、標津沖では数百メートルしかありません。
北海道を旅すると、道東や道北を中心に鉄道駅舎跡地にメモリアルパークのようなものが存在しています。そのなかでも意外に規模が大きく、道の駅にもなっているのにかかわらず、観光ルートから外れているため、旅行者が訪れることが少ないのが旧国鉄相生線北見相生駅を再生した「道の駅あいおい」です。
森繁久彌さんが亡くなって、再び脚光を浴びる『知床旅情』。下世話にいえば「ご当地ソングの代表格」であるこの歌の歌碑は斜里郡ウトロの観光船乗り場近くに立っています。森繁さんの直筆で「知床の岬に はまなすの咲く頃」と歌詞が刻まれていて、知床の玄関口でもあるウトロの名所の一つになってもいます。ところが、峠を越えた根室支庁側の羅臼町の人にホンネ聞けば、多くの人は「あの歌、ウトロにとられたんだべ」と落胆しているのです。それはなぜなのか? 実はこの『知床旅情』には誕生に至るドラマが隠されています。
「四稜郭(しりょうかく)を知っていますか?」
この質問を函館界隈の観光関係者に投げかけると、なぜ、そんな当たり前のことを聞くのかという顔で、「もちろん知ってますよ。ほら、小さいですがパンフにも載っています」なんて答えが必ず返ってきます。ところがどっこい、函館以外で、この四稜郭なるものを知っている人は、相当な北海道通か、あるいは函館出身者ではなかろうか。以前から気になっていたが、取材班がまだ到達していなかった四稜郭、現地に立つと意外に立派で・・・。
「江差の五月は江戸にもない」。北前船による江差の繁栄を端的に表す言葉としてよく、引き合いに出されるフレーズです。でも、この言葉の意味を理解している人は、実はあまり多くはありません。それは、どうして江差が北前船の起点となったのかという視点が欠けているからです。松前藩は、近世の城郭(福山城=松前城)を現在の松前に築きますが、それ以前、中世には現在の上ノ国町の夷王山に山城がありました。夷王山の麓、天の川の河口は天然の良港で、古代から中世に至るまで、この湊が交易の中心だったと考えられます。
層雲峡はかつて北海道を代表する観光地のひとつでした。今ではその地位を後発の富良野・美瑛や、最近では旭山動物園にすら人気の面では明け渡し、若い人には「層雲峡ってどこ?」 という感じの人も増えてきました。ところが、地元観光協会はいまだに、エージェント(旅行代理店)頼み。大型ホテルが林立する層雲峡は、今大きな岐路に立たされています。
「北の小京都」といわれるのが、最北の城下町・松前ですが、実は松前の城下町は、往事の町並みがほとんど残っていません。というのも幕末に松前藩は奥羽越列藩同盟に属していましたが、東北諸藩が新政府に対して降伏すると、いち早く新政府軍につき、北上する旧幕府軍を迎え撃つことになります。土方歳三を総督とする旧幕府軍の攻撃を受けた福山城(松前城=以下は松前城と記します)は、軍備も旧式で、蟠竜丸・回天丸などからの砲撃などであっけなく落城となります。このときに松前藩側は城下に火を放って逃走。寺町の各寺にも火を放つことを強要しますが、一部の住職はこれを受け流し、火を放つのを自重します。こうして今もこの一角だけが実は往事と同じようなたたずまいをみせています。
函館大沼プリンスホテルのプリンスパン工房裏の特設会場(休止中のゴルフコース)で、熱気球体験フライトが楽しめます。今年9月からテスト的に始まったもので、今年は11月3日まで毎日運行されています。6:30〜8:00・16:00〜17:30と気流が安定する朝夕2回楽しめますが、注目は朝のフライトで見ることができる「ハート」の影です。本邦初公開のこの「ハート」。間違いなく『なにこれ珍百景』です。
(注)2008年の取材です。2009年以降は熱気球体験フライトは行なわれていません。




