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松崎観光協会近くの80mほどの細い通りが、なまこ壁通り。薬問屋だった近藤家の本宅と倉庫がなまこ壁仕上げになっている。壁の脇に石畳の道も通っていることから、絶好の記念撮影スポットとなっている。なまこ壁は、四角い平瓦を斜めに並べ、その継ぎ目を漆喰(しっくい)でかまぼこ状に盛り上げてつなぎあわせたもの。松崎には今も約240戸のなまこ壁の家屋が残っており、風情ある町並みを作り上げている。

「踊子歩道」の名でハイキングコースとして整備されている道は、川端康成の小説『伊豆の踊子』で、踊り子一行が歩いた旧下田街道を含む道。小説の舞台、浄蓮の滝から二階滝までを歩くプランなら、10.2km、3時間5分と手頃だ。コースのハイライトは旧天城トンネル。小説のなかで、「道がつづら折になって、いよいよ天城峠に近づいたと思うころ」と書き出された部分で、当時の面影そのまま。帰路はバスで浄蓮の滝に戻ることも。

1854年、下田を訪れたペリー一行は、上陸した弁天橋近くから、休息所として提供された了仙寺までの約700mを行進したという。この道がペリーロードと呼ばれる道で、とくに逢坂橋から続く弥治川沿いは、昔ながらの雰囲気を色濃く残している。逢坂橋近くに並ぶ古い建物は、骨董屋や喫茶店などになっており、町歩きが楽しい。ペリーロードを歩くなら、まず了仙寺を拝観し、寺に車を停めて出かけるのがおすすめ。

旧東海道金谷宿と日坂(にっさか)宿との間にある、金谷峠。当時、牧之原台地の土はぬかるみやすく、上り下りする旅人の苦労が絶えなかったという。そこで幕府は保全命令を発令し、旅人が歩きやすいようにと文政年間(1818年〜1830年)、石が敷き詰められた。現在、国道473号から始まる金谷坂の石畳は、町民の参加により復元されたもの。菊川坂も開通し、全長約1kmの石畳が続く。わずか30mだが、江戸時代の石畳も残されている。

焼津市北部、東名自動車道の日本坂トンネルの近くにある隠れ里。大崩海岸の背後にある日本坂は、『万葉集』にも詠まれた最も古い時代の東海道(やきべつの小径)で、奈良時代には、日本坂峠を越えるルートが東西を結ぶ幹線ルートだった。静岡市側の小坂(ここも味わいのある集落だが)からハイキングコースになった旧道を使い、日本坂峠を越えて焼津側に下ると、花沢の里。炭焼き小屋や水車が復元され、長屋門造りの家並みが軒を連ねる実に絵になる風景だ。

鞠子宿と岡部宿の間にある東海道の難所、宇津ノ谷峠。平安の昔から現在まで東海道はこの宇津ノ谷峠を抜けている。聞き慣れない地名だが、ユニークなのはここが「道路の博物館」ともいうべき存在なこと。平安時代の『伊勢物語』にも登場する「蔦の細道」、江戸時代の東海道、明治時代のレンガ造りのトンネル、大正時代のトンネル、そして現在国道1号が走る昭和(上り線)・平成(下り線)のトンネルとすべて現存している貴重な場所。明治のトンネルは歩行者専用として保存されているが、測量技術の未熟さから掘り進んだ最後がくの字となってつながっている。峠の直下には立場茶屋のあった宇津ノ谷の集落が江戸時代の雰囲気のままに残っている。

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