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南北朝時代の1360(正平15)年頃、本拠を大内村から山口へと移した大内氏24代の弘世。都にあこがれを抱く弘世は、「大路」「小路」と名付けた碁盤目状の街路を整備、京都を模した優雅な町割りを進めたが、市内各地にある堅小路もその名残り。都から寺社の分霊を勧請し、町内ごとにお宮さんがあるのも京風。上竪小路はその代表格。小路や大路の道筋には京風の町家建築も残り、往時の面影を感じさせる。

JR仙崎駅から仙崎の岬の先端へ、北にのびる1kmほどの道。現在記念館として整備された金子みすゞの生家跡や、童謡詩に描いた店や風景、みすゞの墓がある偏照寺などが点在。記念の碑が立つだけでなく、民家の軒先にもみすゞの詩をしたためた木片がつるされ、趣深い情景に出会うことができる。

萩を流れる阿武川の分岐にあたる川島樋門を起点に、幅1.5m、延長約2.6kmの人工用水が藍場川。もとは6代藩主毛利宗広が計画し、1739(元文4)年に新堀川まで開削されたもの。当時は「大溝」と呼ばれ農業や物資輸送に利用したが、下流の江向に藩の藍場ができたため、いつの間にかこの名に。河畔の人々は屋敷内にまでこの水を引き込み、庭園の池水や炊事、風呂水として使用したという。川沿いには今も家並みが連なり、錦鯉も泳ぐ風雅な場所。

萩城城下で、中・下級武士が暮らしていた平安古(ひやこ)地区。4.0haが重要伝統的建造物群保存地区に指定され、土塀と武家屋敷が建ち並ぶ。みものは玉江橋の東南に見られる鍵曲(かいまがり)と呼ばれる直角の道。道を鉤型(かぎがた)にした独特の道路で、まっすぐの道が直角に交差し、道の両脇には延々と高い土塀が続く。わざと見通しが効かないようにして、敵の侵入を防いでいる。まるで迷路に迷い込むようで「追廻し筋」の別名もある。

かつて平安古(ひやこ)総門跡前の外堀であった新堀川に架かり、堀内と平安古地区を結ぶことからこの名がある。当時は城下町から萩城三の丸への通路として利用されていたという。現在の橋は18世紀後半に架け替えられたもので、玄武岩の石橋。17世紀初頭は、木橋であったが、今でも通行量の多い橋として地元の人に利用されている。また平安橋の堀内側に隣接して「平安古総門」跡がある。

萩を流れる橋本川と松本川の三角州のなかほどをつなぐ新堀川。1687(貞享4)年に開削された人工河川で、洪水時の排水や潅漑用水、物資運搬の水路として利用された。のちの入江の埋め立てによって、浜崎まで通じている。平安古(ひやこ)総門跡に接しているエリアは、かつて外堀の一部をなしていたところで、そこに架かる平安橋は、17世紀初頭、城下町と萩城三の丸・堀内とをつなぐ、南の通路として架けられたものだ。

かつて萩城三の丸だったのが、堀内地区。藩の役所や毛利一門など、上級武士の邸宅が建ち並ぶエリアで、屋敷の規模も大きい。城下町独特の鍵曲(かいまがり)の長さもこれに比例して長大。直角の道と、道の左右に造られた背の高い土塀は、外敵の侵入を防ぐための城下町独特の形で、視界の自由が効かない構造になっている。平安古(ひやこ)地区にも鍵曲はあるが、この堀内にある鍵曲は、道も舗装されておらず、当時のまま。

かつて参勤交代で藩主が通った「御成道(おなりみち)」を北限とする3本の小路のひとつで、「日本の道100選」にも選ばれている菊屋横丁。藩御用達の豪商・菊屋の名を頂く横丁は、片側ほぼ全体が菊屋の土蔵と土塀。菊屋家の白壁の長い塀が続く坂道の反対側には、萩焼のギャラリーや店舗が点在。途中、「奇兵隊」を組織した、萩藩士・高杉晋作の旧宅も見られる。

萩城三の丸・堀内東側に位置する城下町は、城内と外堀で隔てられ、商人や中・下級武士などが暮らしたエリア。碁盤目状に区割りされ、比較的狭い敷地の武家屋敷と町家が軒を連ねている。とくに、藩主が通った「御成道(おなりみち)」を北限とする3本の小路はみもの。江戸屋横丁と御成道が接する角地には、萩城下町の碑も立つ。公園も整備され、レンタサイクルの置き場もあるから、ここを起点に城下町散策を楽しもう。一帯が国の史跡。

堀内とは外堀で隔てられており、商人や中級、下級武士などが暮らした萩城城下町。とくに江戸屋横丁には、実父が藩医だった木戸孝允(たかよし)の生家や、青木周弼(しゅうすけ)旧宅などが残っており、興味深い。同じ「御成道」通り沿いにある菊屋横丁とは趣が異なり、比較的狭い敷地の屋敷群と、板塀や石垣、生垣などが見られ、どこか庶民的な雰囲気を醸す。御成道と接する角地には、萩城下町の碑も立つ。

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