718(養老2)年、行基創建の古刹で、鎌倉時代築造の檜皮葺きの薬師堂は国宝。8世紀初頭、仏教伝来とともに薬草として伝わったブドウが、この寺でも法薬として栽培されていたといわれる。本尊に祀られた薬師如来が右手にブドウを持っていたことから、甲州種ぶどうの発祥の地とされる。現在も山門裏の畑で甲州ぶどうが栽培されており、オリジナルワインを販売。宿坊は民宿としても運営され宿泊が可能。2食付5985円。10名以上で予約すれば精進料理も味わえる。信玄ゆかりの寺でもあり、落ち延びる勝頼はこの寺で一夜を過ごしている。
1330(元徳)2年に、甲斐の守護職・二階堂氏が所領の牧荘を寄進し、夢窓疎石を招いて創建したと伝えられる。応仁の乱で荒廃するも、武田氏の菩提寺として再興し、1564(永禄7)年、武田晴信(信玄)が美濃・崇福寺(岐阜市長良福光2403-1)から快川紹喜(かいせんじょうき)を招く。武田信玄の葬儀は、信玄に機山の号を授けた快川国師の手でこの寺で行なわれている。天目山の戦いで武田氏が滅亡後、恵林寺に隠れた六角義治(ろっかくよしはる=信長の南近江侵攻で信玄の元に身を寄せていた)の引渡しを寺側が拒否したため、織田信忠は寺を焼き討ちにした。その際、快川和尚が「安禅不必須山水 滅却心頭火自涼」の言葉を残した逸話は有名。本堂裏の夢窓疎石作の庭園は、上段が枯山水、下段が心字池と築山といった構成で、ツツジの季節がみごとだ。本堂正面には、「信玄公宝物館」があり、信玄ゆかりの品々を展示している。併設の食事処「一休庵」では、精進料理や予約で山菜、つみ草料理なども味わえる。
武田氏の祖で、新羅三郎義光の子孫という安田義定が1184(元暦1)年に建立した真言宗の古刹。みどころは、義定の墓や義定が奉納した銅鐘、宝物館にある3体の木造の仏像だ。仏像は中央が穏やかな表情の大日如来座像、左は天弓愛染明王像、右が男性的で力強い不動明王立像。平安末期の作で、国の重要文化財。また予約をすれば、境内周辺の野草や季節の素材を使った「季節の精進料理」4200円が味わえる。名物のごま豆腐は、ねっとりした舌触り。旬の素材を使うため3月中旬〜6月下旬、9月中旬〜11月下旬のみの限定だ。境内に咲く、春蘭、椿、桜、桃花、山吹、牡丹、花菖蒲、つつじ、ききょう、菊などが料理に用いられるのも「花の寺」といわれる放光寺ならでは。電話予約が必要。1日の定員は50名。
江戸中期、享保年間築造の民家、高野家の屋敷で、国の重要文化財。高野家は、徳川家光によりカンゾウの栽培を命じられ、これを幕府に納めていたことから、別名「甘草屋敷」の名もある。屋根の中央を2段に突き上げた、甲州民家独特の様式で造られており、2〜3階の屋根裏部屋も明るい。巽蔵、馬屋、東門なども残り、観光ボランティアに案内してもらえる。
1582(天正10)年、武田勝頼一族が破れ武田氏終焉の地となった、田野集落にある。寺は織田信長と連合して勝頼を破った徳川家康が、勝頼一族の冥福を祈るため、1588(天正16)年に建立したもの。完成までに29年の歳月を要し、完成時は七堂伽藍(がらん)の立派なものだったが二度の大火で山門を除いて焼失。勝頼一族の菩提寺で甲将殿の裏手には、勝頼と勝頼の婦人(北条婦人)、勝頼の息子(信勝)を祀った五輪塔がある。勝頼辞世の句は「おぼろなる月もほのかに雲かすみ はれてゆくえの西の山の端」。このとき勝頼は37歳、北条婦人はまだ19歳、信勝も16歳の青年だった。
カスピ海沿岸が原産地とされるブドウ。今から約1300年前、シルクロードを経て、仏教の伝来とともに日本に伝わったといわれている。約120年の歴史を誇るワイン醸造の伝統を含めて、このブドウ伝来の歴史を、勝沼の歴史や文化とあわせて解説展示しているのが、ぶどうの国文化館だ。館内には、実物大のろう人形によって、当時の町の様子などが再現されている。
明治10年設立の大日本山梨葡萄酒会社の業績を受け継ぐ、メルシャン株式会社のワイン工場で、工場見学と試飲ができる。売店コーナーでは、来場者だけが購入できる限定品「勝沼物語」などのワインを販売。また敷地内にあるワイン資料館は、明治37年築の建物。現存するワイン醸造場では、日本最古のものだ。館内では実際に使われていた醸造用具や、歴代のラベル、人物紹介など、ワイン醸造の歴史を伝える貴重な資料を展示する。ワイン資料館裏手にある見本ぶどう園は、本場フランス・ボルドーなどと同じ仕立ての畑。
ビールの製造技術をいかした低温管理でワインを製造する、サッポロワイン。低温管理とは、ワイン製造の全過程を低温に保ち、ワインの香りと味を損なわないシステム。貯蔵タンクの周りにも水温5度の冷水を循環させ、ワインの品質を保持している。ワイナリーでは、工場見学やワインの試飲、購入が可能。また併設の「勝沼ワイナリーガーデン」では、ジンギスカンとワインの食べ、飲み放題もできる。
ブドウの仕込みから、発酵、瓶詰めに至るまで、ワインの製造工程が見学可能だ。見学終了後は、ワインに関するビデオを見ながらの試飲タイムとなり、9月中旬〜11月上旬には、発酵中のぶどうジュース「もろみ」も味わえる。試飲には10種類以上のワインが用意されており、試飲で使用したグラスとオリジナルおつまみは、持ち帰りOKだ。また、おみやげ用のワインも充実している。ちなみにサントネージュとは「聖なる雪」の意。
ブドウ、ワインの説明に始まり、10分程度のビデオによる解説、工場案内、売店での試飲という、30分〜40分ぐらいの見学コースを設けている。工場見学の記念ワインで、勝沼工場だけの限定販売品「マンズワイナリー勝沼」は、赤、白、ロゼの3タイプある。国産プレミアムワイン「ソラリス」も人気の品。敷地内にはぶどう棚を眺めながらバーベキュー、ほうとうが楽しめる、バーベキューハウス「万寿園」がある。屋根付なので、雨天でもOKだ。









